体の気の種類
先天の気(せんてんのき)
東洋医学において人間は、「先天の気」と「後天の気」の2つの気のはたらきによって生きていると考えられています。先天の気は受胎時に父母から受け継がれるものです。これは生命を誕生させる源の力で、元気ともいいます。
先天の気が強ければ、比較的健康で病気にもなりにくいのですが、無理をして大量に消費していると衰えていきます。この「先天の気の消耗過程が老化である」とされてきました。先天の気は腎に宿るとされています。
その先天の気を後天の気で補いながら生物は生きていると考えられています。
後天の気(こうてんのき)
後天の気は飲食、呼吸によって補われ、水穀の気として体内に取り込まれます。私達は、こういった生命活動を通して、自然に後天の気を補ってきました。後天の気は人間が元々生まれ持つ先天の気を補う役割を果たします。しかし、現代においては環境の変化、飲食物の生産方法が変化することにより、水穀の気が低下しているといわれています。
それに加えて、現代人の不規則な生活は、水穀の気を取り込みにくい状況へと変化し、気の消費量に比べて補給量が追いつかないという結果に陥る傾向があるようです。
そういった点からも、気功などで不足した気を補うことは、有効な手段といえるでしょう。
道家の練功の理想は、老化していく人の一生の流れを逆流させ、老化すなわち先天の気の消耗を後天の気で補い、老年の人は壮年へ、壮年は青年へと体の状態をもどして行くことです。
宋気(そうき)
宋気とは肺において後天の精と呼吸によって取り込まれた天の気が交わり、胸中(だん中)に集まる気のことを言う。五臓との関係では、宋気は心と肺(三焦では上焦)に関係が深く、これらの臓の活動を支えている気である。
上虚下実(じょうきょかじつ)
気功・大極拳などで要求されるもっとも基本的な状態です。意識は腰から上が三、腰から下が七の割合、つまり上半身は軽く、下半身はどっしりして安定している状態をいいます。
意念(いねん)
意とは「考え」、念とは「言葉を口にする」の意味です。言葉で表現される気をイメージによってコントロールすることを意味します。
営(栄)気(えいき)
血と共に全身をめぐり、生命活動の元となる気。
衛気(えき)
血と共に全身をめぐり、生命活動の元となる気。
邪気(じゃき)
ネガティブなエネルギーのこと。基本は、病気の原因となる外邪を指す。外邪とは、環境の変化により六気(風、寒、暑、湿、乾、火)が限度を超えて、人体に悪影響を及ぼす六淫となった時、それらに邪をつけて呼称したもの。風の邪が人体に入ることを風邪と呼ぶように、日本語の中にもこの邪気の思想が取り込まれている。最近では、六淫以外にも我々に災いをもたらすものを、邪気と呼んでいる。